Kango編集部です。
退職代行サービスのひとつ「辞めるんです」スタッフの方と縁があり、この度、代表の松倉さんへ直接質問をぶつける機会を設けていただきました。
本記事は、そのインタビュー内容をまとめたものです。Kango編集部の発話は、文頭に"編:"が付いているので、読み進めるにあたってそのように認識してもらえたらなと思います。
なお、辞めるんですのサービス基本情報はこちらの記事でも解説しています。
編:松倉さんはじめまして。
はじめまして。よろしくお願いします。
編:よろしくお願いします。それでは早速質問していきたいと思います。
編:まず、辞めるんですのサービスはいつ頃開始されたんでしょうか?
辞めるんですの構想自体は2018年の1月ごろからスタートしていて、3月には本格的にサービスがスタートした感じです。
編:それじゃあ、サービス開始してもう2年ほど経過している感じですね?(本インタビューは2020年3月に実施)
そうですね。
編:もともと代行業とかをやっていたんですか?
いえ、ではなく。面白い発想だなと思い、スタートしてこなす件数が増えてきてからノウハウが蓄積されてきた感じです。
編:なるほど。
基本的には世の中に浸透していることに比例して、問い合わせ件数は増えてきています。
繁忙期、例えばゴールデンウィーク明けや休暇明けは問い合わせが増えるので、単純に右肩上がりというわけではないのですが。
全体でみると増えています。
編:なるほど。月当たりでいくと現在の案件数はどれくらいですか?
月ベースで行くと、平らにしていくと100件ほどですね。
編:これは問い合わせ件数というわけではなく...?
そうですね、実際にこなす案件数です。
編:最初に始めた頃は、反応はどうでしたか?
月に30件も行かず、1日1件ほどLINEでの問い合わせがある、という感じでしたね。
累計だと3,000件を超えるくらいですね。サービスは現時点でも稼働中なので、正確な値は把握できていませんが。
編:3,000件はすごいですね。
これは3つほどありまして。1つ目で圧倒的に多いのは男女ともに営業職ですね。
編:なるほど。ノルマとかもきつそうですからね。
そうですね。保険や不動産で、仕事がきついという方は多いです。
あとは男性でいうと、2位にくるのが運送業ですね。肉体的にきつく、給料にも満足できていないという方が多いです。
編:なるほど。
次に女性の2位でいうと看護師さんを含める医療従事者ですね。こちらの場合はストレスとか、精神的な負担をきっかけとした相談が多いです。
編:なるほど。累積案件数に対しても、割合的に多い感じですか?
女性の案件数で見ると、医療従事者の方は全体の20%ほどですね。男女トータルで見ると医療従事者は10%くらいです。
編:確かに多い気がしますね。
年代別に言うと、以下のようになっています。20代の方が依頼者全体のおよそ7割を占めていますね。
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編:それこそ20代前半は、おそらく就職したばかりの方が多いと思いますが、辞めちゃうんですね。
そうですね、入職1カ月で辞める方もいます。
退職代行の利用にあたっては関係ないですね。ただ比較的、入職して早い時期に利用なさる方は多いと思います。
編:入職したばかりだと伝えづらいですもんね。
そうですね、人間関係もまだ出来上がっていないことが多いと思うので。
そうですね、辞めるんですの退職代行を利用して頂ける理由は、主に3つのパターンに分けられまして。
一つ目はセクハラとかパワハラ、会社がブラックというパターンですね。この場合は、職場へ伝えても聴く耳をもってもらえず、職場の人が家に来てしまうとか。
編:なるほど。
実際に依頼を承ってこちらから会社へお電話をした際も、上司の方がまずパワハラだと分かっていなくて。
編:これは笑
「辞める理由が分からない、教えてくれ」と上司の方から聞かれるのですが、基本的に依頼者の方が理由を伝えてほしくないといった場合にはそのように対応しているので。
相手は自分のパワハラが原因だと理解できずじまいという感じです。
編:これは自分では伝えられないですね。
そうですね、そういう環境じゃないという。
2つ目が人間関係でして。パワハラ、セクハラほどじゃないのですが、人間関係が良好ではない、退職を伝えられるほどの間柄ではないといったパターンですね。
看護師さんの場合は同僚からのイジメとかもあります。
編:例えば、一般的な方法で数か月後に辞めると伝えた後、実際に職場を去るまでの期間に不快な仕打ちを受けるといった感じですか?
はい、もちろんそういう事例もあります。
辞めるんですの退職代行を利用してもらえれば、即日退職が出来るので、その日で行かずに済むという点を大きなメリットと考えてくれているようです。
3つ目は、最近かなり増えてきたのですが、時間を有効活用するために、という方が多いです。おそらく退職代行というキーワードが普及してきたということもあると思うのですが。
退職にあたって書類のやり取りや、上司に引き留められたりだとか、そういったことに時間と手間をかけるくらいなら、退職代行に依頼してしまおうという考えの様です。
編:退職にかかるタスクを外注するという感じですね。
そうですね。完全にアウトソーシングという感覚なのだと思います。
編:確かに、みなさんそう頻繁に退職するわけでもないですし。ノウハウなんて知らないですからね。
次の仕事が決まっているという方も多くて。引っ越しなどにも手がかかるので、そこに時間を充てたいという方も多いです、
金額は税込みで一律3万円です。
編:3万円ですか。相談は確か無料でしたよね?
はい、ご相談は無料でやってまして。例えば、依頼後から退職するまでにメールのやりとりが100通あったとしても追加料金などは発生しません。
いえ、ないですね。料金をお支払い頂いた方に関しては、全て退職に成功しております。
編:なるほど。料金をお支払い頂いた方に関しては、ということは、依頼があっても断るパターンもあるということでしょうか?
そうですね。特殊な仕事、例えばナイトワークとか。自衛隊さんの場合は特殊な契約だったりしていて。任務中は退職できないとかですね。
編:なるほど。
そういうお仕事の方からの依頼は断っていますね。
編:実際にこれまでに断った事例というものもあるんでしょうか?
はい、もちろんございます。
はい、もちろんです。
そうですね、複数回ご利用なさる方もいらっしゃいます。全体で見ても3%ほどだとは思うのですが。
編:そうなんですね。
それはもちろん(笑)24時間対応させてもらっているので。
編:問い合わせへの返信は何分ほどで届くんでしょうか?
基本返信速度はこだわっていて。3分以内には返そうと。もちろん内容が長文だとその分遅れることもあるかもしれませんが。
編:反応自体はすぐにしていると。
音が鳴るとすぐ反応ですね。
平日だと、17時から20時ごろまでですね。後は深夜1時から3時ごろ、早朝ですと6時から8時までの間ですね。
これらの時間帯に問い合わせ数が極めて多いです。
編:早朝6時~8時までの場合、平日なら基本的には出勤を控えているわけじゃないですか?
そうですね。
編:辞めるんですさんへ問い合わせて、依頼することが決まったら、もうその日から行かないという感じなんですか?
そのパターンがかなり多いですね。もう今日、行きたくないと。
それですぐお手続きに入って、出社時間に勤め先へお電話させて頂いて、そしてもうその日から行かないと。
編:なるほど。それじゃあ17時~19時の問い合わせは、翌日から行かないという?
そうですね。その日に出勤して、もう今日で終わりだ!という方がいらっしゃいます。
編:それじゃあ、皆さんずっと以前から辞めたいとは思っていただろうけど、退職自体は計画的にというよりは突発的な?
おそらく突発的なお問い合わせがかなり多いです。
編:突発的に退職代行を利用する方が多いとのことですが、それが原因で勤め先とのいざこざになったりはしないんでしょうか?
これまでこなしてきた案件においては、そのような事例は発生していませんね。
ただし、可能性として言うならば、損害賠償請求などもケースによってはあると思います。
当サービスの場合は、引継ぎなどの作業も書面でやり取りして頂くように依頼者様にもお願いしていることもあり、損害賠償請求などのトラブルになったことはないです。
編:なるほど。
可能性というところでいうと、あると思います。
弊社では基本的に全て郵送というかたちをとっていまして。
編:はい。
例えば会社様からも頂く書類でいうと、源泉徴収票、離職票、雇用保険の喪失証、あとは私物とかですね。
これらは会社様から依頼者様へ郵送してもらって。
依頼者様からも会社様へ、社員証や制服などを郵送して頂いています。制服などに関してはきちんとクリーニングを利用してもらうようお願いしています。
編:会社様へお電話する際に、この郵送の事も辞めるんですさんが伝えて下さるんですか?
はい、そうですね。
もう全くないですね。私物などに関しても、もちろん追跡番号をつけて郵送してもらうようお願いしているので。
このあたりで不備がなければ、依頼者様が会社様と連絡を取り合うことは一切ありません。
ひとつだけあるとすれば、会社様にお電話をする際に「どこのどいつだ」となってしまうので。依頼者様へファックスやメールで会社様へ退職願を提出してもらっていることくらいですかね、
編:なるほど。
テンプレートも用意しているので、そちらを参考にして作っていただいています。
編:メールでもいいんですか?
ファックスがどうしても厳しいという事であれば、メールでも。依頼者本人が退職の意志を会社様へ伝えることが出来ればよいので。
退職願は退職届とは違っていて。基本的には本人確認のためにこの流れを行ってもらっています。その後、会社様が用意している退職届を使うという感じです。
編:ああ、意味が分かりました。
基本的には、退職希望が本人の意志であるということを会社様へ確認して頂く作業ですね、
もちろん、ぼくの天職ではないかと思っているほどです。必ず依頼者様から感謝の気持ちを伝えていただけますし。
編:確かに、需要も増えてくると、それがやりがいにもなりますよね。
そうですね。
はい、もちろんです。一つ目は先ほども申し上げた返信速度ですね。
疲弊されていて、もう今日行きたくないという方が多いので。我々に出来ることとしては、その状況からいち早く脱するお手伝いをすることだと思っています。
そのため、迅速な返信と対応を心がけています。
次に、これまでに案件をこなしてきた結果、培ってきたノウハウですね。新興の退職代行サービス様はもちろん、他社様に負けない知識と経験があります。
そしてもう一つが教育で。返信速度に加えて丁寧な対応を指導しています。
編:なるほど。ノウハウに関していうと、実際に代行のお電話を掛けた際の、会社様の対応に対しての出方とかですか?
そうですね。例えば、先ほど伝えたように退職願のファックスを受け取っているにも関わらず、これは本人が書いたものか分からない、と主張する担当者様もいらして。
そういった場合は、更に依頼者様から委任状も受け取って、そちらも提出するというような対応をさせて頂いています。
編:委任状を発行する流れになっても、依頼者はその日から会社へ出ていないんですか?
はい、そうですね。
そうですね。24時間対応速返信だったり、この質を保つためにはこれ以上下げられないな、というところもあって。
編:先ほどの3つの特徴を維持するためには、という。
はい。依頼者様からお金をとってやろうというつもりではなく。
編:持続可能な形でサービスを提供するために、ということですね。
はい。
はい、変わりません。対応するスタッフも同じですので。
そうですね、弁護士さんが出来る事と私たちの違いについては「交渉」ですね。交渉が必要ない事例については、弊社に相談して頂ければと思います。
編:なるほど。例えば、ある依頼者様から問い合わせがあって、それが辞めるんですのサービスでは対応できない交渉を含むケースだった場合は、そのように案内して頂けるんですね。
そうです。
弊社は転職サポートも行っていますので、その点も回答して頂ける場合はアンケートを行っていて。だいたい利用者全体の60%の方は次の仕事が決まっていますね。
残り40%の方は職探し中の方です。
編:仕事が決まって、乗り換えるために退職代行を利用するというのはポジティブな印象ですね。
基本的に社会が人手不足に陥っているので、再就職先は見つけやすいようです。
はい。退職代行が浸透してきたとはいえ、良くない印象を持っている方は多いと思います。
「自分で伝えるべきだ」「退職代行を使うのは逃げだ」という圧もあって、退職代行の利用は恥ずかしいことだ、と考えている方も多いはずです。
ですが、何か問題があったら解決するために行動するのは当たり前の事じゃないですか?
編:そうですね。
セクハラとかパワハラとかの被害があって、それを自分の力だけでは解決できないときに退職代行を利用して解決しているだけなので。
最近増えてきている、忙しい中時間を節約するために退職代行を利用している方も、時間がないという問題を解決するために利用して頂いているだけなので。
あくまで問題を解決する手段として、ポジティブに考えていただくと利用しやすいかと思います。
編:ありがとうございます。長々とお時間を取らせて頂きました。失礼いたします。
今回は退職代行サービス「辞めるんです」の代表、松倉さんに退職代行業界のこと、辞めるんですのサービス特徴や利用のポイントなどについて直接インタビューをさせて頂きました。
競合他社の事、料金設定の事など、少しイヤな質問もぶつけてみましたが、爽やかに回答して下さりました。辞めるんですスタッフの皆様、ご丁寧に対応して頂きありがとうございました!
辞めるんですのサービス利用の流れはシンプルなので特に困ることはないかと思いますが、本インタビューが利用を検討している方の参考になれば幸いです。
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