看護師転職サイトとは、各病院の看護師求人情報をまとめてくれているサイト。検索にフィルターをかけることができ、地域名や「寮有り」などの検索条件を用いて、理想の転職先を手軽に探すことが出来ます。
これらのサイトはさらに無料で会員登録が出来ます。登録すると担当者(転職エージェント・転職コンサルタント)の方へ、転職の支援を依頼することが出来ます。
【転職サイトとは?こちらの記事でも詳しく解説しています】
看護士求人情報をまとめて確認出来る看護師転職サイト。そこへ登録すると、さらに転職エージェント・転職コンサルタントが、あなたの希望する条件に見合った求人探しから、面談の日程調整やアドバイスまで支援してくれます。
それらのサービスが無料で利用できるため良いことづくめのように思えますが、以下のような考えが頭に浮かび、登録に慎重になる方もいるでしょう。
・無料だからといって登録すると不利益を被るのではないか
・手厚いサポートには何か裏事情があるのではないか
・利用したことがある看護士や関係者だけが知るデメリットがあるのではないか
不安をいだく方もいる一方、実は看護師業界に限らず転職サイト・転職エージェントなどの人材紹介業を利用した就職の数は増えているという報告があります。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構による「入職経路の変化と民営職業紹介業に関する調査(2015)」というレポートがあります(民営職業紹介業とは、俗にいう転職サイト・転職エージェント)。
このレポートによると、少し古いですが平成12年から平成24年にかけて転職サイト・転職エージェントの利用者は右肩上がりに増えており、平成24年にはおよそ17万人が民間の転職支援を利用して入職しているそうです。
さらに、医療・福祉という産業に絞り把握しているだけでも、利用者数が伸びていることが分かっています。以下の通りです。
・平成18年 およそ1万1900人
・平成21年 およそ1万9100人
・平成24年 およそ3万6600人
また、当該レポートの平成24年の民営職業紹介経由の入職者数(産業別)を見てみると、最も多いのが製造業の4万1500人。次いで医療・福祉分野が3万6600人です。
医療・福祉従事者(看護師や介護士、医者など)は特に転職サイト・転職エージェントを多く利用しており、またそのような人材紹介業の利用は一般的になってきているのです。
説明してきたとおり、転職サイト・転職エージェントは便利で、その利用も一般的になってきています。そのため、デメリットや担当者の事情を理解したうえで上手に使いこなすことが大切です。
本記事では、その「デメリット・裏事情」を徹底的に解説していきます。
メリット |
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デメリット |
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看護師さんが転職サイト・転職エージェントを利用する際に見逃せないデメリットは主に以下の3つです。
【1】担当者のノルマ達成のため、希望する求人を紹介してもらえず妥協を要求される
【2】就職までスムーズに行きそうな職場をプッシュするため、頻繁に連絡が来る
【3】担当者を通すためミスマッチが起きてしまい、そのまま交渉が進むことがある
もちろん、これらのデメリットが起きないこともあります。しかし転職サイト・転職エージェントの仕組み上、避けられないことでもあるのです。
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
看護師転職サイトの担当者は「ノルマ」を抱えていることがあります。人材紹介会社は看護師を探している病院へ看護師を紹介し、内定となることで手数料を得る、「成功報酬」という仕組みのためです。
本来であれば、看護師を探している病院、職場を探している看護師という困っている両者をマッチングさせることで、これら2者と転職エージェントがWin-Winとなります。
しかし、一部の担当者はノルマ達成先行となってしまい、看護師さんの希望しない求人でも掴ませようと、看護師さんへ妥協を勧めることがあるようです。
もちろん、看護師さんが全く妥協せずに転職を成功させることはほとんどありません。とはいえ、転職後に後悔しないよう妥協出来るところ・出来ないところは、最終的に自身で決めることが大切です。
しつこい連絡で押し付け的に求人情報を伝えてくるケースもあります。あなたの経験や能力が少しでも病院側の要求するものと合っていれば、急ぎで看護師さんを探している病院側は内定を出してくれることがあるからです。
あくまで「看護師さん」と「病院の求人」は案件であり、担当者はそれを効率的にこなしていきたいものなのです。また、病院側から内定の連絡を得たら、設けられた期限内に返事をしないといけない、他の転職エージェントに案件を持っていかれるかもしれない、というプレッシャーも担当者は抱えています。
そのため、上手くいきそうな案件であれば手あたり次第に看護師さんへ伝えることがある、というのが実情です。
転職サイト・転職エージェントを利用して転職活動を行う場合、担当者は多くの面であなたをサポートしてくれます。看護師さんを探している職場とのやり取り・交渉もそのひとつです。
これはあなたが本来費やすはずだった手間や時間を代行してくれているので、非常に効率よい転職の手段であるといえます。とはいえ、あなたと転職先の間に担当者が入っているため、意思疎通などの面でミスマッチが起きることもあります。
例えば給料や休日数などのデリケートな条件交渉を担当者が行う際、交渉が上手くなければ転職先へよくない印象を与えかねません。
また、入職してから条件などが合っていないと気づく、などといったことも発生する可能性があります。
重要なポイントは担当者に繰り返し確認するだけでなく、必要であれば担当者に伝えて転職先へ直接自身で事前に確認させてもらえるようお願いしてもいいかもしれません。
転職サイト・転職エージェント利用のデメリットは、あなた自身がサービスを利用する姿勢・考え方を変えることで対処できます。
主に以下の3つが挙げられます。
【1】最低でも2社以上に登録しておく
【2】妥協できる点・できない点を自身で決める
【3】分からないことは担当者に尋ねて、対応は真摯に
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
まず最も手軽に行える対策が、複数の、少なくとも2社以上の転職サイトへ登録しておくことです。以下の2つの利点があります。
・担当者の当たり外れリスクを分散する:1社のみに登録して腕の良くない担当者がついた場合でも、別の転職サイトで対応してもらうことが出来る
・担当者へ上手く対応するための訓練になる:担当者も人なので、あなたの対応により案件への思い入れが変わることがあります。こびへつらう必要はありませんが、担当者あいてに上手に振る舞うコツを掴むことが出来るでしょう
あまりに多くのサービスを利用してしまうと対応も大変なうえ、転職が決まった際に転職活動終了の旨を連絡するのも手間となります。
1社だけではなく、2~3社のサービスへ登録しておくとちょうどよいでしょう。
次の職場に何を求めるのか、どこまでなら引き下がれるのか、という線引きをしておきましょう。
転職エージェントにとっても、あなたが求めている条件点譲れない点が見えてこないと対応が困難です。結果として、転職エージェントの都合で新たな病院を紹介されることになりかねません。
ひとまず先順位をはっきりと持っておきましょう。常識外れな理想を抱いていたとしても、転職活動のなかで徐々に修正していけばいいことです。
最もはっきりさせやすいのが、お給料や通勤にかかる時間などの、数字に起こせる事柄。それから取り組むといいでしょう。
まず、1.転職エージェント・転職コンサルタントも人であるということ、2.動機は異なれどあなたが理想の病院へ転職出来ることを望んでいるということ、この2つを理解しましょう。
あなたが不安に思っていること、分からないことを熱心に尋ねると、担当者もあなたの真剣さに気づきます。そのことが分かれば、この案件を成立させるために動いてくれるでしょう。少なくとも、まったく転職をする気がなさそうな方より、あなたの方へ時間を費やしてくれるはずです。
また、担当者を下に見たり、横柄な態度をとることはやめましょう。あくまで「転職活動を支援してくれてありがとう」という感謝をもって連絡に対応します。乱暴な態度をとる顧客よりも、話の通じる方へ対応したいのは、当然のことですよね。
もちろん、担当者が抱くあなたの人間性は、職場へのPRポイントにもつながります。
これまでデメリットやその対処法など、看護師転職支援サービスの負の側面を強調してきましたが、もちろん利用するうえでメリットはあります。冒頭でも解説した利用者数の伸びが、そのことを証明しています。
最低限知っておくべきメリットを一目確認して、本記事を締めたい思います。
・情報収集やマッチングにかかる時間と手間を減らすことが出来る
・応募書類の作成や、職場の反応・感触などについてアドバイスを得られる
・非公開求人の共有や尋ねづらい条件交渉により、待遇の良い職場が狙える
以上、本記事では看護師転職サイトの利用にあたって、担当者が抱える事情などから発生するデメリットとその対処法を解説しました。
本記事があなたの転職を成功させる手助けとなれば幸いです。
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