看護師の手取りは、基本給と各種手当で構成されています。基本給は経験や勤続年数によって上昇し、手当も看護師の腕前によって変動する者もあります。
そこで本記事では、特に「年齢」に焦点を当て、以下で紹介するデータを基にどれくらい給与が変動するか調べてみました。
本記事で紹介されているデータは主に以下の2つを利用しています。
・公益社団法人 日本看護協会 「病院勤務の看護職の賃金に関する調査報告書」(2012年)
・厚生労働省 「賃金構造基本統計調査」(2017年)
本記事では基本的に年齢・経験と給与の関連性に焦点を当てていますが、もちろん看護師は年齢が上がると役職につくこともあります。ただし、役職も検討すると解析がかなり複雑になってしまうため、本記事では特に考慮しません。
以下に、大まかな看護師の役職と年齢の目安を紹介しておきます(ソースは上述の日本看護協会による報告書)。
・副院長 目安を見つけることは出来なかったが、看護部長と同じくらい、もしくはそれ以上と考えられる
・看護部長(副看護部長)56歳
・看護師長(副看護師長)54歳
・主任 50歳
女性の看護師さん55,362人から集められたデータを元に、年齢別の給与額(手当込み、税控除前のため手取りではないということに注意)を見てみると以下のようになりました。
当然のことながら年齢が上がるにつれ受け取る金額は伸び、20 ~ 24歳と50~54歳では最大7万7千円の開きがあります。
20 ~ 24歳 28万5千円
25 ~ 29歳 31万8千円
30 ~ 34歳 32万4千円
35 ~ 39歳 33万1千円
40 ~ 44歳 34万6千円
45 ~ 49歳 35万3千円
50 ~ 54歳 36万2千円
55 ~ 59歳 36万円
60 ~ 64歳 31万3千円
65 ~ 69歳 29万3千円
70歳 ~ 27万8千円
・各年齢層ごとの労働時間数は最も少ない150時間(70歳~)と最も長い161時間(20~24歳)で、最大11時間の開きがありました。
・平均勤続年数は、当然のことながら20~24歳が最も少ない1.7年、そこから徐々に増え55~59歳が15.1年で最長、そこからは減りはじめ、65~69歳は14.4年、70歳~は8.9年となっていました。
・本データは女性の看護師統計を基にしています。理由として、男性看護師のデータ数が6165人、女性看護師のデータ数が55,362人刎と、女性看護師のデータ数が圧倒的に多かったためです。
看護協会により公開されている資料にも看護師の賃金に関するデータがありました。なお、このデータは、フルタイムの正看護師であり、非管理職のみのものとなっています。
こちらでもやはり20代から40代・50代前半にかけては、基本的に受け取る金額は上昇傾向にあることが分かります。
20 ~ 24歳 29万8千円
25 ~ 29歳 32万3千円
30 ~ 34歳 33万円
40 ~ 44歳 38万2千円
45 ~ 49歳 39万4千円
50 ~ 54歳 38万2千円
注: 100円台は四捨五入済み
もちろん、地域や役職など他にも様々な要素が受け取る金額に関わっているため一概には言えませんが、基本的には、年数を経るごとに上昇します。経験を積めば積むほど手取りも増えていくと考えてよいでしょう。
「もっと給料が欲しい」「生活費が足りてない」という方は、この上昇も考慮しつつ、もしそれでも不満があるようなら、給与の良い病院への転職なども検討したほうがいいかもしれません。
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